【企業活力向上につながる!働き方改革関連法】第2回 成立までの経緯 高プロ導入と一本化 電通事件後に規制強化へ/石嵜 裕美子
2018.07.05
【労働新聞】
27年に労基法改正狙う
今回は、働き方改革関連法案が現在の姿になるまでの経緯(下図)を解説する。
安倍政権は平成24年12月に発足し、25年6月の「日本再興戦略」において日本の成長戦略として雇用制度改革を行うことを提言した。その狙いは、経済のグローバル化や少子高齢化の中で、労働参加率と労働生産性を向上させて、日本経済に好循環を形成させることにあった。その雇用制度改革の1つとして、労働時間法制を見直すことが提言され、27年4月に「労働基準法等の一部を改正する法律案」(以下「労基法改正案」)として国会に提出された。
その内容は、労働参加率や労働生産性の向上という当初の観点に加えて、26年6月に過労死等防止対策推進法が制定されたことを受け、労働者の健康確保の観点を強調した内容となった。具体的には、過重労働を防止するため、中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金規定の適用猶予の見直しや、年次有給休暇の取得促進等が提言された。労働者代表委員からは、時間外労働の上限規制を導入すべきとの意見があったが、法案に盛り込まれるには至らなかった。…
筆者:石嵜・山中総合法律事務所 弁護士 石嵜 裕美子
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平成30年7月9日第3168号6面 掲載