【有効活用 ストレスチェック~集団分析と職場環境改善~】第2回 高ストレス者への対応 多様な選択肢提供を 傾向は3つに分けられる/西本 真証
2018.07.05
【労働新聞】
補足的面談も有効
ストレスチェック制度における、高ストレス者へのアプローチは重要な施策である。ストレスチェック制度マニュアル(以下「マニュアル」とする)で推奨されている職業性ストレス簡易調査票(57問)の、高ストレス者選定の評価基準を用いた場合、高ストレス者と判定された労働者が1年以内に休業するリスクは、そうでない労働者に比べて統計学的に有意に高い(集団寄与危険割合は20~40%)ことが追跡研究で判明している。
つまり、仮に、高ストレス者をなくすことができれば、休業者の2~4割をなくせる可能性があるともいえる。しかし、高ストレス者に対して実施されている医師の面接指導を受ける労働者は、高ストレス者のうち、約1割弱というのが多くの企業の実態で、高ストレス者の大多数は放置されたままとなっている。当然ながら医師の面接指導を受けたからといって、ストレス軽減につながり大丈夫ともいい切れない。医師の面接指導の効果に関しては、医師の技能による差が大きいことも分かっている。…
筆者:JMAメンタルヘルス研究所 技術顧問
センクサス産業医事務所 パートナー医師 西本 真証
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平成30年7月9日第3168号13面 掲載