【ぶれい考】キャリアは道連れ世は情け/諏訪 康雄
2018.08.30
【労働新聞】
キャリアの展開は旅に似ている。
初めての知らない土地や国へ行くには、団体旅行が便利だ。交通機関も宿泊も、食事も見学箇所も、何から何までセットされ、ツアコン任せで気軽に旅を楽しめる。しかし、何度か訪れた場所や自分なりにこだわりのある訪問先を、心ゆくまで探訪しようとしたならば、個人旅行に限る。
なるほど、準備に時間や労力はかかるし、お金もかかる。厄介なトラブルに出くわすこともある。だが、だいご味や印象は、はるかに強く、長く残る。
キャリア展開も同様だ。最初は、誰もが辿ったようなコースを、敷かれたレールに沿って進むのが、初心者の定石。…
筆者:法政大学 名誉教授 諏訪 康雄
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平成30年9月3日第3175号5面 掲載