【人事学望見】第1161回 労働能力喪失と職場復帰 休職中の職場環境変化が主要因
2018.08.30
【労働新聞】
傷病による労働能力の欠如・喪失を理由とする解雇は業務上の場合、労基法19条1項で「療養の期間およびその後30日間」は禁止されている。復職に当たっては、職務遂行が不可能な程度まで低下しているか否かのほか、使用者が雇用維持の可能性を検討したかも問題となる。
本人自体に問題みられず
業務内容の変更による雇用維持の客観的可能性などをめぐって争われたのが全日本空輸(退職強要)事件(大阪高判平13・3・14)である。
事件のあらまし
現告Aは、被告Y空輸にスチュワーデスとして勤務していたが、業務上災害によって3年3カ月休業した後に復職した。その後、AはYの業務命令により、平成7年7月6日から同年10月20日までの間に3回の復帰者訓練を受けたがいずれも不合格となった。
Yは、同9年1月24日、「労働能力の著しい低下」「やむを得ない業務上の都合」等を理由として、同年2月29日付で解雇する意思表示を行った。…
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平成30年9月3日第3175号12面 掲載