【裁判例が語る安全衛生最新事情】第307回 銚子運送事件 過労による転落で安全配慮義務違反 千葉地裁八日市場支部平成29年4月14日判決
2018.10.26
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
原告Xは、トラック運転手として平成18年4月から平成25年11月まで勤務していた(ただし、症状固定後にもXは復帰していない)。被告Y社は、鮮魚の輸送を業とする株式会社。Xは、過重労働の結果として、業務終了時にトラックから降車する際に転落して右手の右大菱形骨骨折の傷害を負い、右手関節の機能障害が残存し、障害等級10級に該当するとして、安全配慮義務違反による損害賠償請求をした。
これに対して、Y社は、その転落事故を目撃した者はおらず、X本人から降車時の転落ではなくて荷台の片付けをしているときであるとの報告を受けており、また、XがY社が指定した病院に行かずにわざわざ事業所から遠い病院で治療を受けていることからして、転落したのはXの主張する態様ではない。さらに、…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成30年11月1日第2317号 掲載