【人事学望見】第1168回 賞与の支給日在籍定着したが… 恣意的な解雇者には適用ムリ!?
2018.10.25
【労働新聞】
就業規則等において、「賞与は支給日現在在籍者に支給する」とか「支給日現在在籍しない者には支給しない」旨の定めがある場合には、賞与支給日前の退職者に賞与を支給しなくても労基法違反にならないものと考えられる(中川恒彦「賃金の法律知識」)。
雇用関係を重視する趣旨
いわゆる「賞与の支給日在籍要件」を確立させた裁判例といわれるのは、大和銀行事件(最一小判昭57・10・7)である。改めて紹介しておこう。
事件のあらまし
上告人Aは、Y銀行を昭和54年5月31日に退職した。Yの旧就業規則32条では「賞与は決算時期毎の業績により各決算期につき1回支給する」と定め、毎年6月と12月に賞与を支給してきたが、従来から賞与はその支給日に在籍する者のみに支給するという慣行が存在していた。…
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平成30年10月29日第3182号12面 掲載