【民法から考える!!フリーランスの活用】第6回 改正民法(1) 解除権の有無異なる 契約を見極める必要が/芦野 訓和
2018.11.08
【労働新聞】
第6回と第7回では、2017年に公布された改正民法が人々の働き方に関してどのような規定を設けているのかを概観する。今回は改正の経緯を簡単にみた上で、改正法における役務提供型契約の、契約の終了に関する規定について概説する。
4つの類型を維持
1898年に施行された民法の財産に関する部分は、第2次世界大戦後も大きく変更されることなく(信義則や権利濫用は1947年に明文化された)、解釈により柔軟に運用されてきた。しかし、立法後100年を経過したころから、社会の変化に十分に対応し切れていないなどの理由から改正の必要性が主張され、2004年にはそれまで旧漢字カタカナ交じりの文語体であった条文の現代語化が行われた。その際、雇用契約で「労務ニ服スル」とされていた表現が、「労働に従事する」と変更された。
その後も議論が続けられ、2009年に社会・経済の変化への対応を図り、国民一般に分かりやすいものとするなどの観点から債権に関する部分を見直すべきとの法務大臣の諮問を受け、法制審議会で検討された結果、「民法の一部を改正する法律案」が2015年に国会に提出され、2017年に可決成立、公布された。改正法は一部の規定を除き、2020年4月1日より施行される。…
筆者:東洋大学法学部法律学科 教授 芦野 訓和
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平成30年11月12日第3184号11面 掲載