【裁判例が語る安全衛生最新事情】第308回 札幌建設アスベスト事件① 国の賠償は事業者に比べ低い割合に 札幌地裁平成29年2月14日判決
2018.11.09
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
本件は、建築物の新築、改修、解体作業などに従事した建築作業従事者またはその相続人である原告X1らが、その現場で使用された石綿含有建材から発生した石綿粉じんにばく露したことによって石綿関連疾患(石綿肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚)にり患したとして、被告国と被告建材メーカー企業を訴えた事件である。
被告国に対しては、石綿含有建材についての規制権限を有していたとして、規制権限を行使しなかったことをもって、国家賠償法1条1項の責任を求め、被告企業に対しては、石綿含有建材を製造販売していたことが石綿ばく露の原因であったとして民法719条1項前段または後段の共同不法行為の規定により石綿含有建材を製造販売していた企業に対しては民法の不法行為による損害賠償責任を追及した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成30年11月15日第2318号 掲載