【人事学望見】第1173回 不法就労外国人と労災 密入国等強度違法除き損害賠償
2018.11.29
【労働新聞】
過去13年間にわたって欧州連合(EU)で君臨したメルケル独首相が、引退を表明した。背景にあるのはいうまでもなく移民・難民問題の舵取りで人心が離れたことにある。翻ってわが国は、目下入管難民法の改正をめぐり与野党対立が激化しており、虎の尾を踏んだのか。
財産的補填には限度あり
本紙で毎号のように報道している外国人技能実習生問題は、離脱して不法滞在する者を除くと、安価な労働力と考え、長時間労働や最賃以下の低賃金、あるいは割増賃金の不払いなどほぼ一方的にその責任は受入れ事業主側にある。
本質的な問題は、改正入管難民法施行後に譲るとしてこれまでの裁判例からその断片をみてみよう。不法就労外国人の労災事故について、損害賠償問題が争われたのは改進社事件(最三小判平9・1・28)である。…
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平成30年12月3日第3187号12面 掲載