【イラストで学ぶリスクアセスメント】第183回 不適正な脚立使用による災害
平成最後の年がきました。「年月の経過は、とても早い」と感じるのは、筆者のみならず読者の皆様も同じことと思います。2018年は自然災害が多発しましたが、検査データ改ざん事件も目立ち、特にKYBの「免震・制振装置の改ざん問題」は、「ものづくりを誇った日本」で、「ものづくりを根底から揺るがす恥ずかしいニュース」でした。今回は、日ごろ行き届かない職場の「整理・整頓・清掃(3S)」の一貫として、吹き抜け通路上で、照明球の清掃・交換作業での「不適正な兼用脚立使用の重篤な災害」がテーマです。
《吹き抜け通路で兼用脚立使用の重篤な危険災害》
開放感がある「吹き抜け通路(以下、「通路」という)」は、製造工場だけでなく、貸しビル・中高層の集合住宅・病院・学校・歩道橋・飛行場など、公共施設・民間のあらゆる建物にあります。しかし、保全作業をするうえで、手すりが低い〔高さ110cm〕ので、無防備状態で兼用脚立〔*〕の作業を行うと、「危険な開口部での路肩作業」となり、「作業者が1階ロビーに墜落」だけでなく、「作業者がロビーで休憩中の人に激突」の二次災害が、想定されます。〔30年以上前の建築物は、保全作業の安全を配慮していない状態が多い〕
〔*〕「イラストで学ぶ高所作業の知識とべからず83事例」(労働新聞社刊)に、多数の災害事例と具体的な対策を紹介しています。
天板からバランスを崩して墜落
【災害1】通路で照明球の清掃作業
照明球の清掃のため、4階の通路上に天板高110cmの兼用脚立を設置。作業者Aは天板に乗って、…
執筆:中野労働安全コンサルタント事務所 所長 中災防安全衛生エキスパート 中野 洋一
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら