【人事学望見】第1178回 採用内々定は労働契約か 企業の学生囲い込みに過ぎない

2019.01.17 【労働新聞】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

囲い込んだが勘定合わず…

 昨年10月14日、経団連は就活ルールの廃止を公表した。主に企業側が「倫理憲章」を守らなかったことからサジを投げた格好だ。そこで、採用内定開始日の10月1日以前に出されていた採用内々定通知は不透明な状態に置かれるが、ここでは裁判例を振り返ってみる。

期待利益を侵害する不法

 問題となったのは、採用内々定が採用内定と同じく「始期付解約権留保付労働契約」の成立か否かということ。成立ならば、その取消し(解約)は、解雇の成否の問題として損害賠償責任が生じてしまう。裁判例としては、一審、控訴審で争われたコーセーアールイー事件が良く知られている。

 事件のあらまし

 不動産売買、あっ旋、仲介および管理等を行うY会社の人事担当者は、学生Aに対し、平成20年5月30日に「採用内々定のご連絡」と題する書面および入社承諾書を送付した。

 Aは、直ちに入社承諾書に記名、押印して返送した。人事担当者は、学生への正式な「内定通知」の授与は10月2日に行うと連絡、これを受けたAは、すでに内々定の通知を受けていた企業および最終面接を受けていた企業にそれぞれ断りの連絡を入れた。ところが、内定式直前の9月30日、AはY会社から「採用内々定の取消し」と題する書面を受け取ったことから事件が展開する。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

この連載を見る:
平成31年1月21日第3193号12面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。