【人事学望見】第1179回 定年制の有効性を問う 雇用保障と年功的処遇で合理性
2019.01.24
【労働新聞】
高年齢者雇用安定法は「労働者の定年の定めをする場合には、当該定年は、60歳を下回ることができない」(8条)と定めている。そして9条では「65歳未満の定年を定めている事業主は、高年齢者の65歳までの安定した雇用を維持するため一定の措置を講じる」旨要請している。
信義則違反認められない
一連の措置は、いうまでもなく深刻化する労働力不足を背景にした「高年齢者労働力の活用」の要請に応えたもの。定年制については、「労働者の事情(能力、実績等)のいかんにかかわらず、一定の年齢の到来を理由にその雇用を喪失させることは、公序良俗に反し無効とする声もあるが、現在の裁判例および学説の多数は、これを有効と解している」(岡芹健夫弁護士)。このモデル判例が秋北バス事件(最大判昭43・12・25)である。
事件のあらまし
就業規則は事業場内の法的規範の性質を認められているからそれが合理的である限り、労働者は、就業規則の内容を知っているか、同意しているか否かにかかわらず、当然にその適用を受ける。…
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平成31年1月28日第3194号12面 掲載