【裁判例が語る安全衛生最新事情】第313回 東京建設アスベスト控訴審事件② 一人親方も救済で一審より賠償額倍増 東京高裁平成30年3月14日判決
2019.01.28
【安全スタッフ】
事件の概要
本件は、建築物の新築、改修、解体作業などに従事した建築作業従事者またはその相続人である原告ら(本件結審時で354人)が、その現場で使用された石綿含有建材から発生した石綿粉じんにばく露したことによって石綿関連疾患(石綿肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚)にり患したとして被告国と被告建材メーカー企業42社を訴えた事件である。
被告国には、石綿含有建材についての規制権限を有していたとして、規制権限を行使しなかったことをもって、国家賠償法1条1項の責任を求め、被告企業には、石綿含有建材を製造販売していたことが石綿ばく露の原因であったとして民法719条1項前段または後段の共同不法行為の規定により、または製造物責任法3条により、石綿含有建材を製造販売していた企業に対しては損害賠償責任を追及した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成31年2月1日第2323号 掲載