【裁判例が語る安全衛生最新事情】第314回 サニックス事件 新人研修の歩行訓練で安全配慮義務違反 広島地裁福山支部平成30年2月22日判決
2019.02.12
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
被告Y社は、ソーラー機器、空調機器の製造販売輸入を業とする会社である。
原告X(当時48歳)は、平成25年8月16日ころにY社に中途入社し、翌年7月31日にY社を退職した。Xは平成25年8月18日から同月30日まで宿泊施設での新人研修を受けた。その内容は、営業内容・方法についての授業、試験、課題の提出、歩行訓練であった。そのうち歩行訓練は、宿泊施設の同部屋10人の社員が1つの班となって、一定速度で一定の距離を歩く練習を繰り返したうえで、8月27日には、24kmを制限時間5時間で完歩する訓練(サニックススピリッツ、以下「スピリッツ」という)が行われた。そして、この歩行訓練は同月21日、23日、25日の3日行われた。Xは身長171cm、体重101.3kgの肥満体であった。
ところが、Xはその歩行訓練期間中に足首と膝の痛みを訴え、8月31日に、病院を受診し、右足関節挫傷、両側膝関節挫傷の診断を受けた。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成31年2月15日第2324号 掲載