【リレー方式紙上討論 解雇無効時の金銭救済】第7回 労働者にプラス効果 神学論争の様相呈する(1)/倉重 公太朗
2019.02.21
【労働新聞】
日本において、解雇の金銭解決は政治的にも混乱するテーマであり、議論が進化していない。左だ右だと立場により神学・宗教論争の様相を呈し、「金銭解決ダメゼッタイ」と思考停止している向きも少なくない。しかし、解雇規制の問題は、未来の日本の雇用社会のグランドデザインとなる重要な論点だ。
そもそも、解雇権濫用法理は、昭和の人口増、高度経済成長期を背景とする時代の裁判例から生まれた判例法理が現在も労働契約法により脈々と受け継がれている。昭和の雇用においては、終身雇用が当然であり、解雇によって会社から追い出すのは「よほど例外的な場合」となるので厳しい規制だ。…
筆者:倉重・近衞・森田法律事務所 弁護士 倉重 公太朗
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平成31年2月25日第3198号10面 掲載