【人事学望見】第1184回 特殊な職種の異動問題 就業規則・労働契約で裏付けを
2019.02.28
【労働新聞】
裁判で配転命令が無効とされるのは、①職種や勤務地の限定が認められる場合②配転命令の必要性がない場合③必要性がある場合であっても、不当な目的でなされた場合、労働者に対して通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき――が挙げられる。
職種限定と勘違いしたが
アナウンサーという職業は、特殊な訓練を受けて配属されており、職種が限定されていると思うのが通常だろう。24年間にわたって、アナウンス業務に従事していた労働者に配転命令が下り、争いとなったケースに九州朝日放送事件(最一小判平10・9・10)がある。
事件のあらまし
Aは、昭和36年5月にY社に採用され報道局アナウンス部に配属された。同年6月以来、昭和60年3月に報道局情報センターに異動になる(一次配転)まで、24年の長きにわたりアナウンサー業務に従事していた。
Aは、情報センター部長Bから「センターに来ればしゃべる機会はいくらでもある」と説得され、この配転命令に従った。同センターは本来アナウンス業務を所管するものではなかったがAはラジオニュースを担当していたから、業務が変更になったわけではなかった。…
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平成31年3月4日第3199号12面 掲載