【リレー方式紙上討論 解雇無効時の金銭救済】第13回 勤続5年で8カ月 「完全補償ルール」を提示(3)/荻野 勝彦
2019.04.04
【労働新聞】
今回は、3点からなる私案のうち3つ目の「解決金の額は、原告(労働者)の逸失利益をもとに、事件個別の事情を勘案し、原告の選択による場合・被告の選択による場合の別に算定する」について、さらに検討したい。
検討に値する過失相殺
大内伸哉・川口大司編著『解雇規制を問い直す―金銭解決の制度設計』(有斐閣、2018)では、経済学的に望ましい金銭救済の水準として「完全補償ルール」を提示している。これは解雇されなかった場合の賃金と解雇された場合の賃金の差額の現在価額を補償すべきとの考え方で、具体的には、勤続5年で8カ月程度、10年で18カ月程度とほぼリニアに上昇し、勤続25年で32カ月程度のピークとなり、その後は上昇の2倍くらいのペースで急速に下落して…
筆者:中央大学 客員教授 荻野 勝彦
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平成31年4月8日第3204号10面 掲載