【人事学望見】第1189回 難しい転勤命令拒否 家庭上不利益より業務上必要性
2019.04.04
【労働新聞】
就業規則に、業務上の都合により転勤や配置転換を命じる旨が定められており実際にこれに基づいて転勤が頻繁に行われ、雇用契約で勤務地や職種が限定されていない場合には、企業は、個々の労働者の同意を得ることなしに転勤や配置転換を命じることができる。
強い要件に頻繁な発動が
転勤命令は権利の濫用であり、Y社が行った転勤命令と懲戒解雇について、最高裁(東亜ペイント事件第二小判昭61・7・14)は、それに従わなかったことによる懲戒解雇は無効であるとした大阪地裁・高裁の判決を破棄し差し戻した。
事件のあらまし
Aは、新規大卒者としてY社に採用され、頻繁に転勤命令が発令されているY社の営業担当に配属され約8年間大阪近辺で勤務していたところ、神戸営業所から広島営業所への転勤の内示を受けた。Aは、家庭の事情を理由にこれを拒否し、続いて名古屋営業所への内示にも応じなかったことから、…
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平成31年4月8日第3204号12面 掲載