【特別寄稿】墜落制止用器具 落下距離考慮し適正使用を フルハーネスの義務化へ対応/菊一 功
フルハーネスを原則義務化とする改正労働安全衛生規則が今年2月1日から施行された。みなとみらい労働法務事務所の菊一功所長は「墜落制止用器具は作業員をいかに宙づりにするか」が狙いと考え、地面との激突防止対策が重要とした。激突原因の多くは、落下距離に対応する器具の選択誤りが見られると指摘。適切な墜落制止用器具を使用するよう、安全担当者は的確な指導を行うよう求めている。
目的は宙づりにあり
「安全帯」を「墜落による危険のおそれに応じた性能を有する墜落制止用器具」に改め、フルハーネスを原則義務化とする改正安衛則などが平成31年2月1日から施行されました。その運用については「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」(平30.6.22 基発0622第2号以下、ガイドラインという)が示されました。
ガイドラインは、「墜落制止用器具を使用して墜落した作業員をいかに宙づりにするかの方策を規定したもの」で、墜落による地面などとの激突防止対策が主眼と考えられます。墜落制止用器具使用における激突の原因の多くは、当該器具の損傷と落下距離に対応する当該器具の選択誤りです。
ガイドラインは事業者と作業員に対する安全指針ですが、本稿は特に安全担当者に対する安全管理の参考資料として起草しました。安全担当者は、作業員に墜落制止用器具を使用させるにあたり、適切な墜落制止用器具を選択する必要性があります。ガイドラインでは…
筆者:みなとみらい労働法務事務所 所長 菊一 功
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