【リレー方式紙上討論 解雇無効時の金銭救済】第14回 支払い能力にも配慮 労働者が選択した場合(終)/荻野 勝彦
2019.04.11
【労働新聞】
(1)裁判所は、解雇の無効とともに、解決金を決定する。(2)原告・被告(労使)の一方の選択により、解決金での解決となる。(3)解決金の額は、原告(労働者)の逸失利益をもとに、事件個別の事情を勘案し、原告の選択による場合・被告の選択による場合の別に算定する。
改めて、これまでの連載で示した3点からなる私案を提示した。世間での議論とはかなり様相を異にするものであり、また法技術上の課題も多々抱えていて異論も多かろうと思うが、議論の材料となれば幸甚である。今回は補遺的にいくつかの論点を敷衍しておきたい。
解決金不満なら復職へ
今回の私案の中でとくに不自然なのが「原告の選択による場合・被告の選択による場合の別に」であろう。私自身もやや違和感を禁じ得ないところではある。
ただこれには、…
筆者:中央大学 客員教授 荻野 勝彦
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平成31年4月15日第3205号10面 掲載