【特別寄稿】不調の初期に3~5日休養 メンタル疾患で休職が激減へ A社実例/㈱ドクタートラスト
働き方改革の目玉の一つは、産業医・産業保健機能の強化によるメンタルへルス対策のさらなる充実だ。今号の特別寄稿では、㈱ドクタートラストの大西裕美顧問に、メンタル疾患の早期発見・早期対応のポイントをご教示頂いた。A社の健康管理室の事例を紹介。メンタル不調の初期の段階で、「3~5日の休養」を勧め、再度面談する方式に改めたところ、メンタル疾患での休職者が激減したという。また、ドクタートラストのA氏には、自身のパニック障害の体験などを踏まえた当事者の視点から、メンタル疾患への取組みで不可欠となる配慮について助言して頂いた。
病院受診の前に面談
従来のメンタル疾患対策では、「早期発見・早期治療」が重要とされていたが、昨今はそのスコープが「早期発見・早期対応」へと移り、メンタル疾患そのものを未然に防ぐことが求められてきている。本稿では、実在するA社での実例をもとにしながら、いかにしてメンタル疾患の早期発見・早期対応を実現するか、その方策を考える。
近年のメンタルヘルスのトレンド
最初に、社会的なメンタル疾患のトレンドをご紹介する。国内では、1998年より連続14年間にわたり自殺者数が3万人を超えていた。しかし、2012年以降は9年連続で減少傾向にあり、2018年の自殺者数は2万598人にまで減っている。このように、自殺者数は減少傾向にあるが、一方では精神障害に関する労災請求件数は増加傾向にある。…
執筆:㈱ドクタートラスト
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