【人事学望見】第1194回 ユニオン・ショップ協定の盲点 組合除名無効なら解雇義務なし
2019.05.16
【労働新聞】
わが国の労働組合の大多数は、ユニオン・ショップ協定を結んでいる。この協定では、使用者は自己の雇用する労働者のうち当該労組に加入していない者および当該労組の組合員でなくなった者を解雇する義務を負う。この協定に基づき解雇したところ思わぬ展開となった。
締結趣旨は組織強化だけ
ユ・シ協定に基づき労働者を解雇したところ、裁判所は使用者の解雇権の行使は、それが客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には権利の濫用として無効とした。ユ・シ協定が否定された日本食塩製造事件(最二小判昭50・4・25)は、労契法制定のモデル事例にもなった。
事件のあらまし
Y会社と労働組合との間には、新機械の導入に関し意見の対立がみられていた。この間、組合幹部だったAは、一部職場の女子従業員に対し職場離脱をなさしめたほか、無届集会をしたこと、さらに夏期一時金要求に伴う闘争に関し会社役員の入門を阻止したなどを図ったところ、これらは職場規律を害するものとして懲戒解雇された。…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和元年5月20日第3209号12面 掲載