【ぶれい考】労働者と自営業者の間に/鎌田 耕一
2012.02.06
【労働新聞】
労働者と自営業者の間に、法は明確な境界線を引いている。労働者だと認められると、労災補償制度、解雇規制など様ざまな保護が与えられる。他方で、自営業者だとされると、ほとんど保護はない。自己の危険負担でなんでもしなければならない。このような、労働者と自営業者(個人事業主)の対置構造から、近代雇用制度は成り立っている。
ところが、労働者と自営業者の間の境界線があいまいになっている。労働者性があいまいな仕事には、芸能実演家、大工、車持ち込み運転手など古くから存在しているものもあるが、バイク便、機械・器具の修理業者など最近になって出てきたものもある。…
筆者:東洋大学法学部 教授 鎌田 耕一
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平成24年2月6日第2859号5面 掲載