【人事学望見】第1197回 不法行為から債務不履行責任へ 安全配慮義務で時効3倍伸びる
2019.06.06
【労働新聞】
安全配慮義務が労契法5条に謳われるはるか以前、最高裁判決によって不法行為責任から債務不履行に基づく損害賠償責任となったことは、大きな反響を呼んだ。前者の時効が3年であるのに対し、後者はその3倍強に当たる10年となり、企業責任は一段と強まったからだ。
損害賠償で被災者有利に
陸上自衛隊員が、自衛隊内の車両整備工場で車両整備中、後退してきたトラックにひかれて死亡した事例で国が公務員に対する安全配慮義務を負うことを認定して話題となった判決、陸上自衛隊事件(最三小判昭50・2・25)からもう半世紀に近い時が流れている。
事件のあらまし
陸上自衛隊員Aの両親らは、国Yに対し、Yは使用者として、自衛隊員の服務につき、その生命に危険が生じないように注意し、人的物的環境を整備し、隊員の安全管理に万全を期すべき義務を負うにもかかわらず、これを怠ったとして、債務不履行に基づく損害賠償を求めて訴えを起こした。…
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令和元年6月10日第3212号12面 掲載