【人事学望見】第851回 過激なストライキを避ける戦術は? 36協定更新拒否は争議行為か!?
2012.02.13
【労働新聞】
07年春闘戦術として、民間最大の産業別労働組合であるUIゼンセン同盟が、ストライキに代わる経営側への圧力手段として、「時間外労働拒否」を方針に盛り込むと宣言し、あわてさせる一幕が演じられた。結局、具体的な動きはなかったようだが、うまい考えともいえた。
低額予想にいらつく若手
「UIゼンセンには、消費者に直結する流通産業が多く、ストについては組合員にも抵抗があった。そこで、それに代わって、時間外労働拒否を打ち出したわけだが、これを実現させるためには、難関が控えていたため、結局、傘下単位労組の賛同を得ることができず、見送ったというのが、本当のところじゃあなかったかなあ」
ベースアップはおろか定期昇給でさえ凍結するという動きが、経営側の本陣から出たことを受け、山口スーパー労組の若手執行委員は、会社がこのような動きに乗るようなことがあれば、時間外労働拒否戦術をも考えるべきではないか、という強硬論が生じていた。
こうした声に対し、過去のいきさつを振り返り、自重した方が賢明ではないか、と説いていたのが、山下委員長その人だった。
「委員長は個人的立場でそういわれるのでは、ないですか」
強硬派の岡本が、遠慮会釈なくかみついてきた。
「失敬じゃあないか。なんで俺の個人的立場が出てくるんだッ」…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成24年2月13日第2860号12面 掲載