【人事学望見】第866回 労働協約有効期間中のいさかい 平和義務によって制限を受ける
2012.06.04
【労働新聞】
労働協約とは「労働組合と使用者または使用者団体で労働条件その他に関し、書面で作成され、両当事者が署名し、または記名押印した協定」である。このような労働協約は、個別労働契約や就業規則の上位規範として、法令に次いで国家法上特別の取扱いを受けている。
関連しない不当労働行為
この経済情勢の中で、横山産業ではうれしい誤算が生じ、今年3月決算は、対前年比2割以上増の営業利益を計上していた。それが明らかになったのは、春の賃上げ交渉が終わった5月初めのことだった。もちろん、その兆候は昨年秋頃から現れていたのだが、まさかこのような好業績を示すとは、経営トップでも判断できなかった。
その最大要因は、一度破談になった中国企業への輸出交渉について、先方が横山産業に代わって選んだ企業内部に問題あり、との判断から、復活するという突発事態が生じたからだった。
一時的現象とはいえ、営業利益で対前年比2割増とは、まさに福の神が舞い込んだような状態だった。
労使では、ベースアップゼロ、賞与も前年と同額で妥結し、1年間の有効期間を定めた労働協約を締結していた。…
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平成24年6月4日第2875号12面 掲載