【人事学望見】第1199回 定期健康診断にまつわる話 受診義務違反に懲戒処分可能か
2019.06.20
【労働新聞】
最高裁判決によると、就業規則において、職員に対する健康保持増進義務を定めること、健康管理を要する者(要管理者)に自らの健康の回復に努める義務を定めること、要管理者に対して健康管理従事者の指示に従う義務を規定することはいずれも合理的と認められている。
健康回復を資する企図で
「事業場の労働者は、就業規則の存在および内容を現実に知っていると否とにかかわらず、また、これに対して個別的に同意を与えたかどうかを問わず、当然にその適用を受ける」と判示したのは、電電公社帯広局事件(最一小判昭61・3・13)である。
事件のあらまし
Yは、日本電信電話公社法により設立された公共企業体で、Aはその職員である。Yは、頚肩腕症候群り患の予防や早期解決のために諸施策を講じたことから、発症数は減少傾向にあった。ただ、3年以上を経過しても治癒しない者が多かったことから、職場の労組とその対策について労働協約を締結したうえで、長期療養者に対して総合精密検査を受診させることとした。
Aは、頚肩腕症候群の診断を受け要管理者と認定され、本来の電話交換業務ではない軽作業に従事していた。YはAに対し、…
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令和元年6月24日第3214号12面 掲載