【人事学望見】第881回 意外に軽い私用メール判決 外部に対する社長批判も解雇無効
2012.09.24
【労働新聞】
間接部門では、個人ごとにパソコンが貸与されるのは、ごく当たり前の情景となった。私用メールといえば、携帯電話がふつうだが、会社から貸与されたパソコンを使うやからも少なくない。これらはサーバー内に記録されるので、合コンなど他愛ないものがほとんど。
基本的には職務専念違反
「私用メールといっても、判明すれば問題になることを想定しながら行うものもある。例えば、極端な例では自分の処遇に不満な場合や配置に不服のある者が面と向かっては業務命令に反することができない、というか、反した場合には何らかの制裁を受ける危険性があるから、メールに打ち込むというわけさ」
「でも、ふつう貸与されたパソコンは管理されていますから、会社や上司批判のメールを発信すれば何らかの処分が行われるでしょう」
人事課の山崎課長と佐々木係長が、私用メールについて、侃々愕々のやりとりをしているのは、最近、私用メールで上司批判を行った総務課の小西の問題をどうするか、人事担当の奥山常務からゲタを預けられたからだった。
「いちおう職務専念義務違反を問えるかどうか、を検討してくれということだが、これは表面的なものなんだ」
山崎課長が秘密をこっそり打ち明けるような様子で左右を見渡しながら、小声で伝えた。…
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平成24年9月24日第2890号12面 掲載