【人事学望見】第882回 4分の3以上で構成する労組と労働協約 未組織パートへの拡張適用が鍵
2012.10.01
【労働新聞】
労働組合法第17条には、「一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする」と規定されている。
同種労働者当たるか否か
昭和30年代から40年代初頭にかけて学生運動が華やかなりしころ、企業にも新左翼系の労働組合が誕生し、分派活動を行っていた。経済活動に直接的に関係のない政治活動を展開して、凶器準備集合罪などで逮捕者が出る労組も少なくなかった。
これに反発する「ノンポリ族」は、会社と協調する第2組合を設立し、次第に強大な人員を抱えていく。これに伴って過激な少数組合は勢力範囲が狭まり、自然消滅寸前にまで追い込まれた。
賃上げ交渉にしても、会社業績に連動した要求を掲げる第2組合に対し、「剰余価値の搾取」を主張する少数組合は、常識外れの要求を繰り返したため、妥結までの道のりは険しく、これも組合員離れの要因となった。
4分の3以上で構成する労組が結んだ労働協約の拡張適用は、本来、締結労組の組合員だけにしか適用されないものに、事業場単位の一般的拘束力(第17条)および地域的な一般的拘束力(第18条)を与えるという例外的措置である。…
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平成24年10月1日第2891号12面 掲載