【人事学望見】第888回 労災隠しのシッペ返しは大きい 労働者死傷病報告をキチンと!?
2012.11.19
【労働新聞】
労災隠しとは「故意に労働者死傷病報告を提出しないこと」または「虚偽の内容を記載した死傷病報告を所轄労働基準監督署長に提出すること」をいい、労働安全衛生法第100条に違反し罰金50万円以下が科せられる。厚生労働省は、数次にわたって警告しているが後を絶たない。
労災保険を請求せず健保
厚生労働省が「労災隠し」として検察庁に送検した典型例を紹介しよう。
事例1 経営者Aは、同社が請け負った工事現場で、同社の作業員が作業中に高さ5メートルの足場から墜落し、両手首骨折の重傷を負って4日以上仕事を休んだにもかかわらず、所轄労基署に労働者死傷病報告を提出しなかった。
事例2 所轄労基署は、運送会社B社と同社社長を労災5件を隠した疑いで送検。同社は荷物を扱う作業中に発生した社員の骨折など、1年1カ月間に起きた労災について、荷主に知られたくなかったとして報告書を提出しなかった。
事例3 所轄労基署は、マンションの改装工事中に労働者が骨折した労災があったにもかかわらず、別の工事で労災があったとする虚偽の報告書を提出したかどで、電気工事会社C社の社長を送検。当該労災は、他県で行っていた元請工事現場で発生したものだが、報告書を所轄署に提出せず、自社で請け負った別の工事で労災があったように装い、別の労基署に虚偽の報告をしたのが発覚した。…
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平成24年11月19日第2897号12面 掲載