【人事学望見】第890回 人気呼ぶ労働局長の助言・指導 「簡易・迅速・無料」が功を奏する
2012.12.03
【労働新聞】
中央労働委員会がまとめた「平成22年全国の労使紛争取扱件数」では合同労組関与が実に7割を占めていた。そのうち36.8%が紛争発生後に労働者が加入し労組が調整申請する、いわゆる駆け込み訴えである。職場復帰より解決金をせしめようという意図が多くみられる。
合同労組に対応できそう
これに対し、同じ個別労働紛争でも、対決よりあくまで当事者による「話合い解決」をめざそうという行政指導が、勢いを増してきている。平成13年に施行された「個別労働関係紛争の解決促進に関する法律」に基づく、都道府県労働局長による助言・指導がそれである。
「高い組合費を出さなくても、簡易・迅速・無料をうたい、解決率も高いから人気が出るのも当然だな。ただ、合同労組はオルグ活動という積極的な戦術を駆使しているのに対し、こちらの方は労働基準監督署などに設置されている総合労働相談コーナーに出向いて行かなくちゃあならんから、機動性の面では後れを取っていることは否定できない」
デフレの進行で労働条件改善の主目標である賃上げ、ボーナスの成果がパッとしないため、木村製作所労組の執行委員会も静かなものだった。
組合員からは、社員は自動的に加入しなければならないユニオンショップ制に対して、「役立たずの労組になんで組合費を納めなければならないのか」という疑問の声が上がる始末だった。…
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平成24年12月3日第2899号12面 掲載