【ぶれい考】「牧歌的なチーム」の終焉/守島 基博
2019.07.25
【労働新聞】
「チーム」という言葉を聞いたとき、どういう光景を思い浮かべるだろうか?仲の良いメンバーが情報共有し、助け合いながら、協力して業務を進める集団といったところが大方のイメージだろう。「一致団結」や「連帯」といった言葉を思い浮かべる人も多いかもしれない。これまでチームといえば、比較的同質の、専門分野が大きく異ならない、年齢構成も一定の秩序のあるメンバーで構成されていることが多かった。話す言語も日本語だった。
また目標や求められる成果も革新的なものではなく、新しいことといっても、過去からの改善や改良が求められるぐらいだった。このように同質性が高く、一定の秩序のあるチームであれば、目標の共有や連帯の確立はそれほど難しくなかったし、求められる成果もそのなかで自然に達成されてきた。
だが、現在企業経営でよくみられるチームは、これとは異なる。…
筆者:学習院大学 副学長・経済学部経営学科 教授 守島 基博
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令和元年8月5日第3219号5面 掲載