【ドキュメント!中小企業奮闘記―成果あがる経営・組織改善とは―】第9回 会社を失速させる「独善的商品」の危険 トップ自ら中止・撤退 根底には“間違った顧客像”/菊谷 寛之

2012.03.12 【労働新聞】
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グループ内で事業分析

 「営業推進チーム」の成功で意気が上がった新聞販売業N社(160人)の経営陣は、次に新聞以外の事業の改善に関心を深めていった。

 2010年4月、同社ではグループ3社の責任者を集めた営業企画プロジェクトをスタートさせた。3社とは新聞配達のN社、折込チラシ・企画営業・保険営業の各部門からなるNS社、広告サイト事業を行うQ社である。

 プロジェクトでは、経営分析の定石に従い、各事業部門の「事業ドメイン」を整理した。誰に対して事業を行うのか、どのような技術・ノウハウを活用し事業を行うのか、どのような機能・価値を顧客に提供する事業なのかを問いかけ、顧客・技術・機能の3つの軸からそれぞれの事業領域を明らかにしていく。

 次に各事業部門の強み・弱み・機会・脅威を洗い出す「SWOT分析」を行った。常識的には、自社の強み(Strengths)を市場の機会(Opportunities)に投じる「SO戦略」が最も成功の可能性が高いといわれる。ただし自社の本当の強みをしっかり認識している会社は意外と少ない。また自社の弱み(Weakness)や外部環境の脅威(Threats)を逆手に利用して勝機がつかめることもある。実際にやってみると奥が深い。…

筆者:㈱プライムコンサルタント(www.primec.co.jp) 代表 菊谷 寛之

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平成24年3月12日第2864号13面 掲載
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