【ドキュメント!中小企業奮闘記―成果あがる経営・組織改善とは―】第10回「わが社の強み」と「機会の最大化」 既存ノウハウ活かす 潜在需要探り新商品開発/菊谷 寛之
2012.03.19
【労働新聞】
組織見直し全体最適へ
昨年3月の東日本大震災は、新聞販売業N社(160人)の地域でも消費の大きな減退を招いた。同社の折込チラシは前年比2割以上も減少し、経営陣の危機感は極限まで高まった。急遽、賞与の一部カットや時給社員への移行の前倒し、折込業務の縮小などを決めたものの、それだけでは将来展望は開けない。
早急にグループ全体の事業構造を見直し、折込収入に頼らない健全な経営への見通しを立てる必要があった。
現状は、新聞配達のN社、折込チラシ・企画営業・保険営業のNS社、広告サイト事業のQ社という3社体制のため、各部門が部分最適の思考に陥りがちであった。マネジメント、営業、事務、現業などで人材や設備が分散し、単体としてもグループとしても効率が低下している。
部門の壁にとらわれない全体最適の視点から、既存事業の継続的改善と新規事業開発を進めるための組織体制づくり、そして人材活用を急ぐ必要があった。
こうした問題意識から、N社の首脳は「事業再編プロジェクト」を昨年6月にスタートさせた。まず取り組んだのは、…
筆者:㈱プライムコンサルタント( www.primec.co.jp) 代表 菊谷 寛之
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成24年3月19日第2865号13面 掲載