【ドキュメント!中小企業奮闘記―成果あがる経営・組織改善とは―】第16回 「経営計画書」とミドルの役割 課題共有し組織学習を 部下は上司通じ初めて参画/菊谷 寛之
2012.05.07
【労働新聞】
トップ営業で地位築く
前回は、経営目標管理を阻む3つの「溝」について解説した。今回はその一例として、現業と戦略課題のジレンマに悩んだある会社を取り上げよう。
T社はW県にある電設工事会社である。現社長が32年前に創業し、社員30人と小粒ながら、県内の五指に入る有力企業に一代で育て上げた。
同社の主要得意先は大手・中堅のゼネコンやそれに連なる設計事務所である。バブル崩壊後、建設業界がデフレスパイラルに陥るなか、同社も何度か困難な状況に直面してきた。その都度、取引先を冷徹に選別して必死の営業活動を行う一方、贅肉をそぎ落とす果敢な意思決定を重ね、業績を維持してきた。
同社の強みは、企画提案力とコスト競争力に裏付けされた受注力にある。同社の業態は、営業→設計→仕入→工事→メンテナンスという流れ。初めにゼネコンの企画パートナー・手足となって、営業・設計部門が予算計画に参画する。ゼネコンの窓口では、社長が自ら工事のムダを指摘したり、その場で改善策を提案するトップ営業を進めてきた。低価格競争に巻き込まれないよう、過去実績のデータベースを使って企画提案を工夫し、利益を確保している。…
筆者:㈱プライムコンサルタント(www.primec.co.jp) 代表 菊谷 寛之
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平成24年5月7日第2871号13面 掲載