【中国進出企業 労務管理ガイド】第15回 転職制限条項の意義 制限期間内は経済補償 高度技術者等に対象限定/曾我 貴志
2012.04.23
【労働新聞】
情報流出防止の有効策に
前号で、転職社会である中国における情報管理の問題を採り上げたが、最も直接的かつ効果的な情報流出防止策は、ノウハウを保有している労働者について労働契約等において転職制限を課すことであることはいうまでもない。
会社固有のノウハウの流出を防止したとしても、労働者が転職してしまったならば、個人の身に付いたノウハウについては、その流出を防ぎようがないからである。
労働契約法23条2項は、秘密保持義務を負う労働者について、会社は労働契約または秘密保持合意書において、労働者と競業制限条項を約定し、かつ労働契約が解除され、または終了した後、競業制限期間内において月ごとに経済補償を与える旨を約定することができる、と規定している。…
筆者:曾我法律事務所 弁護士 曾我 貴志
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平成24年4月23日第2870号5面 掲載