固定期間満了や定年到達で

　中国における労働契約の「終了」とは労働者・使用者のいずれの側からの意思表示も必要とせず一定の事由の発生をもって労働契約が終了することであると前号において述べた。以下では労働契約法44条に列記された「終了」事由について解説する。

　第１に、「労働契約の期間が満了したとき」。これは労働契約の固定期間が満了したときと解される。ただし、同法14条２項により勤続10年または２回以上の労働契約更新という事情が存在する場合において労働者が労働契約の更新を申し出た場合には無固定期間の労働契約を締結することが義務付けられるので、固定期間が満了した場合の全てが労働契約の終了事由となるわけではない。…

筆者：曾我法律事務所 弁護士　曾我 貴志