【高齢者を活性化する役割・実績給】第5回 高年齢者賃金決定上の問題点 年齢や市場基準へ一変 同じ仕事でも60~70%に/梅本 迪夫
2012.08.06
【労働新聞】
理屈では意欲向上せず
1 問題点は定年前後で変わる賃金決定要素
定年後継続雇用者の処遇上の最大の問題点は、賃金が定年時の60~70%程度まで減額されることにある。こうした賃金決定の理論的根拠は何か。
わが国の賃金制度は年功制が強く、図1のとおり、入社して間もない頃は、賃金水準が貢献度を上回り、次第に能力の向上によって賃金水準以上の貢献度を示すようになり、その後また貢献度に対して賃金水準が上回るようになる。入社から定年までの長期雇用の中で、その収支が見合うようになっている。
したがって、定年以降も定年直前の賃金水準で継続雇用するとすれば、賃金と貢献度が見合うことなく、会社負担が大きくなってしまう。そこで、定年後は新規契約になることを機に賃金を下げ、定年以降の市場賃金として、従事する職務にかかわらず一定の水準まで下げるのが適切であるとの考えになる。
低賃金であるとの不満に対しては、再雇用後賃金を市場賃金と比較せずに、現役時代の社内賃金と比較して低いと思う点に問題があり、定年後は新規契約なのだから、定年後の処遇も定年前と契約が違うものと認識すべきとの考えである。…
筆者:梅本人事総合コンサルティング 代表 梅本 迪夫
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平成24年8月6日第2883号13面 掲載