【社労士による労使紛争“交渉・解決”】第9回 円滑な団交に向けて(下) 発言者を1人に絞らず チーム戦と認識する/大槻 哲也
2019.08.29
【労働新聞】
集中的な追込みに備える
経営者などが団体交渉の当事者として労使対等の立場であることを認識するのは、団体交渉の申入れを受けたときであろう。第一声で「寝耳に水、あの社員がどうして……」と信頼を裏切られたかの如き発言を漏らしてしまうことからもうかがい知れる。「わが社ほど社員を大切にしている会社は他にはない」との自負がある一方、現実を素直に受け入れたくないという思いもあるのであろう。
繰返しになるが、働く人たちがユニオン労組へ加入したり、企業内労組を結成したりしたことそれ自体をもって、非難することはできない。労働組合は、正当な活動であれば、労働組合法などで保護されているほか、組合員の民事・刑事的責任が免責される。むしろ、企業内に労使関係の苦情処理制度を構築するなど、労使双方が友好的に紛争を解決し得る労働慣行を確立しておくことが肝要である。…
筆者:全国社会保険労務士会連合会 名誉会長 大槻 哲也
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和元年9月2日第3223号11面 掲載