【社労士による労使争紛“交渉・解決”】第11回 対価と報酬 業務範囲を明確にする 交渉委員まで行うか否か/大槻 哲也
2019.09.12
【労働新聞】
孤独な経営者に寄り添う
労使紛争は、そもそも個別的労使紛争から始まるといえる。いったん紛争が起きてしまうと、企業規模の大小、紛争の原因の如何を問わず、職場環境の悪化につながり、企業の活力を疲弊させてしまう。だからこそ、紛争の未然防止に努めなくてはならない。
ここをしっかりやらないと、労働組合からの団体交渉の申入れによって始まる集団的労使紛争に発展することになる。経営者などの受け止め方や考え方は多様であるが、なかには、労働組合や団体交渉、不当労働行為という言葉にさえ不快感を持っていて、労使当事者の対等性を理解していないケースが存在する。
稀にではあるが、労使当事者の立場にあり、かつ双方が対等であることは理解していながら、「俺の会社には、先祖代々、経営者としての信条があるので……」といって、労働組合を相手にしない経営者も見受けられる。このような考え方をしていると、いずれ労使紛争が起きることになる。…
筆者:全国社会保険労務士会連合会 名誉会長 大槻 哲也
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令和元年9月16日第3225号11面 掲載