【ハラスメント防止法制と企業対応】第12回 パワハラによる休職・労災② 期間満了で紛争化も 本人が復職可能と申し出/岸田 鑑彦
2019.09.19
【労働新聞】
治癒しなければ退職に
前回に引き続き、パワハラによりメンタル疾患を発症した従業員への対応についてである。
メンタル疾患で休職に入っていたものの、休職期間満了時点においても治癒しなかった場合、会社としては休職期間満了による退職を検討することになる。就業規則にも、休職期間満了時点で復職できなければ自然退職や解雇すると定めている会社が多い。
しかし従業員は、パワハラのせいでメンタル疾患を発症したのだから私傷病ではないし、休職期間満了での退職はおかしいと争ってくる。ほとんどの休職規定が、「私傷病」であることを前提にしているため、業務に起因したメンタル疾患の場合には、休職の前提を欠き、ひいては休職期間満了による自然退職の効果も生じないのではないかとも思える。
しかし、実際には、…
筆者:杜若経営法律事務所 弁護士 岸田 鑑彦
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令和元年9月23日第3226号6面 掲載