【ぶれい考】従業員満足度調査の功罪/守島 基博
2019.10.03
【労働新聞】
先日ある企業と一緒に行った研究で興味深い結果が出てきた。従業員満足度調査を毎年行う企業よりも、行っていない企業の方が高い従業員満足度を示したのである。他の多くの要因の影響を統計的に除去したうえで出てきた結果である。最初は、満足度の低い企業が危機感を感じて、調査を熱心に行っているのかと考えてみたが、そうでもないらしい。また答えるのがめんどうくさいということでもないようである。
興味をもって、従業員のヒアリングをしてみると、面白いことが分かってきた。どうも多くの従業員が、不満を述べても、何も改善されない状況にフラストレーションを感じているようなのである。当然、満足度調査なのだから、不満が出てくる可能性もある。だが、従業員からみると、いくら不満を述べても、会社側からは全く改善の兆しがみえてこないというのである。
確かに多くの企業で…
筆者:学習院大学 副学長・経済学部経営学科教授 守島 基博
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和元年10月7日第3227号5面 掲載