【ハラスメント防止法制と企業対応】第16回 パワハラ調査① 第三者から事実確認も 事業者へ措置義務課す/帯刀 康一
具体的な内容は指針で
今回から3回に分けて、「パワハラの調査と対応」について解説していくが、今回は、パワハラの調査と対応に関する改正労働施策総合推進法(以下「パワハラ防止法」)の検討経緯なども含めた総論的な部分を解説する。
パワハラ防止法において、事業主には、職場のパワハラ防止に関する雇用管理上の措置義務(以下「措置義務」)が課されることになったが、その措置義務の具体的な内容は指針にて示されることになっている。
この指針は、パワハラ防止法施行までに示されることになっているが、先日、「職場におけるパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の骨子(案)」(以下「指針骨子」という)が公表された。
パワハラの調査と対応については、指針骨子において、「4 事業主が雇用管理上講ずべき措置の内容」として、「(4)職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応(迅速・正確な事実確認、被害者への配慮措置、加害者への措置、再発防止)」とされている。
したがって、事業主には、職場のパワハラについては、迅速・正確な事実確認など、迅速かつ適切な調査を実施することが求められることになるが、上記指針骨子「迅速・正確な事実確認」という事項を例にとってみても、現時点において、指針自体は策定されていないため、事業主として具体的に何をしなければならないのかということまでは明らかになっていない。
もっとも、パワハラ防止法の検討過程を踏まえると、現時点においてもその内容をある程度想定することは可能である。
まず、…
筆者:高井・岡芹法律事務所 弁護士 帯刀 康一
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら