【事故防止 人の問題を考える】第73回 一般家庭のヒューマンエラー対策事例
2019.11.12
【安全スタッフ】
台風19号による甚大な被害
10月12日(土)、関東、甲信越、東北などを直撃した台風19号。過去最大級の台風がもたらした記録的豪雨により、死者は77人(10月17日11時の報道発表分)にも及び、東京都多摩川、埼玉県越辺川、栃木県秋山川、茨城県久慈川、宮城県吉田川、長野県千曲川、福島県阿武隈川など、59河川の90カ所で堤防が決壊し(同上)、各地に大きな被害をもたらしました。
これほどまでに広範囲にわたり、台風により河川が氾濫したのは過去に例をみず、今回の台風がもたらした被害はあまりに甚大でした。
自然の脅威の凄まじさを目の当たりにし、この凄まじい脅威から身を守るにはどうすればよいか。その対策の難しさを感じずにはいられませんでした。
リスクを過小評価しない
今回は、一般家庭でのヒューマンエラー対策を取り上げます。
ある家庭で、築20年以上経った家のリフォーム工事を行うことになりました。平日は家族全員が出かけるため、家族が留守の間に工事を行うよう、リフォーム業者に家の鍵を渡すことになりました。家には、防犯上、2つの鍵がついており、そのうち1つの鍵を渡します。このリフォーム業者は何度もその家のリフォーム工事を行っており、安心して鍵を預けることができますが、ひとつ心配事がありました。
それは、朝、家族が家を出る時に、うっかり鍵を2つともかけてしまうことです。…
執筆:労働安全衛生総合研究所 安全研究領域長 高木 元也
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2019年11月15日第2342号 掲載