【産業カウンセリングの現場から】第187回 再発防止の仕組みで復帰の機会を
2019.11.12
【安全スタッフ】
パイロットの飲酒問題への対処
筆者の専門はEAP(従業員支援プログラム)で、企業へのEAP導入、ストレスチェック、カウンセリング、メンタルヘルス研修などを行っています。自己研さんのため、毎年米国で開催される国際EAP協会の年次学会に参加していますが、今年は、我が国で今話題になっている、パイロットの飲酒問題への対処を学びました。EAPはもともとアメリカの職場のアルコール依存問題への対処からスタートしたので、「職場のアルコール問題プログラム」と呼ばれていました。パイロットはストレスが高く、また、その社会的立場から治療に結びつきにくいため、パイロット向けに特別にデザインされた「パイロット・アシスタンス・プログラム」というEAPがあります。
1974年以前のアメリカでは、パイロットの飲酒問題からのリハビリの規則はなく、アルコール依存の診断がされたパイロットはパイロット免許を即時に取り上げられ、キャリアを失いました。ところが、アルコール依存は回復可能な疾患であるという見解が確立し、1974年にFAA(連邦航空局)による新基準が公示され…
執筆:国際EAP協会日本支部 理事長 市川 佳居
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
2019年11月15日第2342号 掲載