【努力義務化は目前!? 70歳までの就業機会確保】第7回 他社への再就職 人材供給企業を目標に グループ外まで範囲拡大/内田 賢
2019.11.14
【労働新聞】
制度的に開拓推進を
「骨太方針2019」において「70歳までの就業機会確保」実現のための選択肢として、「他の企業(子会社・関連会社以外の企業)への再就職の実現」が盛り込まれた。2012年に改正された高年齢者雇用安定法では、「継続雇用制度の対象となる高年齢者が雇用される企業の範囲をグループ企業まで拡大する仕組みを設ける」ことが求められた。今回は企業が開拓すべき再就職先の範囲がさらに拡大されているのが特徴である。
従来、60歳を超えた者の再就職先は企業グループ内の子会社や関連会社が中心であり、60歳前からの出向や転籍を経て進められてきた。高齢者雇用施策の1つとして企業グループ外へ再就職をあっせんしていた企業もあるが、会社が関与しない個人ベース、たとえば定年退職者自身による再就職先開拓や、大企業の優秀な高齢者(現場の熟練技能工、ベテラン営業担当者など)に目を付けていた取引先企業が「定年後はうちに来てほしい」と打診しての定年時移籍が行われていた。これからは「70歳までの就業機会確保」実現に向け、グループ外の再就職先企業開拓を、企業が制度的に推進することが求められる。
ニーズの把握は必須
グループ外企業への高齢者再就職送り出しは、これまで中心だった子会社・関連会社への送り出しと同じアプローチでは…
筆者:東京学芸大学 教授 内田 賢
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令和元年11月18日第3233号11面 掲載