【人事学望見】第1218回 プライバシーと不法行為責任 女子トイレ覗き告発うやむやに
2019.11.14
【労働新聞】
使用者は、雇用契約に付随して労働者のプライバシーが侵害されないよう職場環境を整える信義則上の義務がある。しばしば登場するのぞき行為は公共の場所ばかりではなく、加害者を特定できる事業所内でも生じているし、HIVに関する情報を流すことも糾弾されている。
退職勧奨が合意解約とは
のぞき目的で女性トイレに侵入した男性従業員に対する苦情を無視してプライバシー侵害とされた仙台セクハラ(自動車販売会社)事件(仙台地判平13・3・26)は典型的なケースだが、争いは意外ともいえる結末に。
事件のあらまし
Aは、Y会社の営業所で販売係として勤務していた女性社員である。某日、営業所内の女子トイレにある掃除用具置場内に男性従業員Bが侵入しているのを発見した。Bに用便中の姿を見られたかも知れないことに精神的苦痛を覚え、思い切ってC店長、D常務、E部長などに訴え、適正な事実調査を行うよう依頼した。ところが、Y社は逆にAに警察や社外に口外しないよう指示してうやむやのうちに葬ろうとした。…
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令和元年11月18日第3233号12面 掲載