【ハラスメント防止法制と企業対応】最終回 今後の展開 社内研修実施が重要 来年6月施行に備えを/村本 浩

2019.12.19 【労働新聞】
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中小は令和4年4月に

 令和元年5月29日、労働施策総合推進法の改正がなされ、同年7月から劇団じゅりすとの弁護士メンバーが、パワハラ防止法の内容とこれまで出されている円卓会議、検討会の報告書を踏まえたハラスメントの防止・対応に向けた実務のポイントを解説してきた。

 この間、パワハラ防止法の施行は令和2年6月1日の予定となり、中小企業については同法第30条の2第1項の措置義務につき令和4年4月1日まで猶予される予定となった。また、令和元年11月20日には、厚生労働省の労働政策審議会雇用環境・均等分科会が指針案の修正案を公表し、上記施行日に向けて、措置義務の内容等を具体化している。

 パワハラ防止法については、労働局の雇用環境・均等部(労働局によっては雇用環境・均等室)が所管となるが、同部は令和2年4月1日に大企業対象に施行される同一労働同一賃金関連法の所管部署でもあり、ハラスメント防止法に関し、十分な人員を割くことができるのか疑問が残る。

 反面として、同一労働同一賃金関連法と違い、ハラスメント防止法の措置義務の内容は、指針案によれば、従前の男女雇用機会均等法のセクハラに関する措置義務とほぼ同様の内容となっており、指導官による報告徴収や指導はセクハラに関するものを踏襲して行われると予想されるため、同一労働同一賃金関連法に基づく指導よりも、措置義務違反による指導の方が行いやすく、その分、行政指導がなされるリスクが高いのではないかと思われる。

 大企業においては、指針案が修正されたもので確定するか注視しつつ、令和2年6月1日に向けて、指針案において具体化された措置義務に対応できているか、今一度、社内でチェックをしていただきたい。

予想される紛争の増加

 パワハラにまつわる紛争は、今後も増え続けることが予想される。その原因の一つは、…

筆者:岩谷・村本・山口法律事務所 弁護士 村本 浩

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令和元年12月23日第3238号6面 掲載
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