【想いはせれば】第122回 住民から騒音・振動の苦情
2020.01.10
【安全スタッフ】
▶25年ほど前、私の出向先の環境測定機関では、依頼を受けて東京・下町の従業員10人程度規模の機械工場に、騒音と振動の環境測定に出向きました。
工場の近くにアパートができて、そこの住民が工場の騒音と振動がひどいと役所に申告したものです。この機械工場では、鍛造機や研磨機などの工作機械を使用して機械部品を製作していました。確かに騒音や振動は、公害騒音の規制値を大幅に上回る高い音と振動でした。
工場の中に入ると90デシベル(db)を超す高い騒音環境でした。人は90dbの音に長期間さらされると難聴になる確率が非常に高くなります。鍛造機や研磨機の直近は100dbに近い騒音が発生しているのに、数人の作業者は騒音防止用の保護具をつけずに平然と作業をしていました。工場を案内していた社長は「彼らは始めから難聴なんだ、そういう人を採用して働いてもらっている…」。聴覚障害者の就業場所として複雑な気持ちにさせられました。
▶その工場の近隣にアパートが建ち、住民が入れ替わってくると、…
執筆:セフテイレビュー 代表 末松 清志
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2020年1月15日第2346号 掲載