【ぶれい考】時間管理は誰の責任?/守島 基博
2020.01.30
【労働新聞】
時間外労働の上限規制が施行されて、4月で1年が過ぎる。働き方改革=労働時間改革という図式はほぼ浸透し、ある調査によると企業の8割が残業時間の削減や休暇取得の奨励を行っている。政府が進める「働き方改革」は労働時間に関してはかなり実現してきたと言っても良い。
だが、この陰で起こっているある変化にも目を向けなくてはならないだろう。それはフレックスタイム制度を導入、再導入している企業が、じわじわと増えていることだ。フレックスタイム制度は、清算期間と呼ばれる一定期間内の総労働時間を決めたうえで、始業や終業の時間を社員が自分で自由に決めることができる柔軟性を与える制度であり、1988年4月から導入された。
だが、…
筆者:学習院大学 副学長・経済学部経営学科教授 守島 基博
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令和2年2月3日第3243号5面 掲載